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    ステークホルダーとの対話

「世の中の激変にも対応しうる経営基盤の強化が重要です」
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エーザイは、hhc理念を実現するためにはコーポレートガバナンスの一層の充実が必要であると考えています。なぜなら、患者様と生活者の皆様、株主の皆様、社員等のステークホルダーと信頼関係を築き、長期的な企業活動を続けていくことが、hhcの取り組みには不可欠だからです。そこで、エーザイのコーポレートガバナンスの現状や課題について、社外取締役の倉地正氏にうかがいました。

取締役  
倉地 正氏

〔プロフィール〕
株式会社東京三菱銀行専務取締役、兼松株式会社社長などを経て、04年当社取締役就任。
05年より取締役議長、06年より社外取締役独立委員会委員長も兼務。
 1. エーザイにおける社外取締役の役割についてどう考えますか。
 2. 堅固なコーポレートガバナンスが機能している要因は何でしょうか。
 3. 社外取締役として、エーザイの強みについてどのように考えますか。
 4. エーザイの今後についてはどのように考えていますか。

1. エーザイにおける社外取締役の役割についてどう考えますか。
倉地: エーザイは、委員会設置会社で、業務執行機能は執行役に、経営の監督機能は取締役会にという明確な機能分離を徹底しています。取締役会は外国人を含む11名で構成され、うち7名が社外取締役であり、執行役を兼任するのは社長だけです。エーザイの場合、社外取締役の独立性の要件はかなり厳しくて、親会社や関係会社出身者や大株主などではなく、私のような他の会社の経営者や学者、法律家など様々な立場の人間で構成されています。企業統治の形としては日本でトップクラスに入るのではないでしょうか。
社外取締役の指名やその報酬決定も社外取締役が行います。取締役会の議長を務めることも社外取締役の役割ですが、執行機能と分離されたこうした役割分担は、きわめて稀な例といえるでしょう。
我々社外取締役は、世間の常識に立って、あくまでステークホルダーとして客観的に経営を監督していくことを心がけています。業績もさることながら、こうした経営の透明性、公正性がエーザイのすばらしいところですし、私自身も、経営者として学ぶところが多いですよ。
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2. 堅固なコーポレートガバナンスが機能している要因は何でしょうか。
倉地: ひとつは社長の強力なリーダーシップでしょう。エーザイでは、クレームや社員からの意見、批判を、我々社外取締役もすべて目を通せるようになっていますが、それは社長の自信と度量がなければできないことです。
もう一つは、社外取締役をサポートする専任の事務局が設置されていることです。ここが、そうしたクレームや意見を我々が閲覧できるよう分類整理していますし、もちろん、取締役会の議案なども事前にきちんと準備して、質疑応答もできるようになっている。そうしたインフラがきちんと整備されている点は高く評価できます。
さらに社外取締役の選び方も重要で、エーザイの場合、きわめてバラエティーに富んだメンバーになっています。これらが、委員会設置会社として異例の成功を収めている理由だと思いますね。
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3. 社外取締役として、エーザイの強みについてどのように考えますか。
倉地: エーザイは、定款の中にhhcという企業理念を盛り込んでいます。これも非常に珍しい例です。患者様とそのご家族のベネフィット向上を第一に考え、そののちに企業の利益があるというhhcの理念に、ほとんどの人が惚れ込んで働いていますし、もちろん我々社外取締役も、この理念に共感しています。 しかもこの理念は、国境を超えて世界のエーザイグループに共通しています。hhcに基づくコンプライアンスのマニュアルは世界11カ国語に翻訳されています。我が国だけでなく世界がこの企業理念に共感し、心の中に浸透して行動の基準になっていて、環境活動も社会貢献活動も、そこから生まれているわけです。 たとえば米国では、社章の代わりにhhcのバッジを、みんなが背広の襟に着けていますし、ハリケーン「カトリーナ」の被災地には、米国エーザイの社長自らすぐに駆けつけて被災者救援にあたりました。私も世界各国のエーザイを視察していますが、どこへ行っても現地人のリーダーのもと、実に整然とした職場環境づくりが成されています。それを見ても、企業理念が世界的に根づいてきたことを実感します。 自分が働く企業の理念に心酔できれば、働きがい、やりがいが生まれ、その理念を何としても守ろうという気になります。これは、企業として大変強い部分であると思いますね。
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4. エーザイの今後についてはどのように考えていますか。
倉地: エーザイは8期連続の売り上げ増という成長を続けており、今のところ順風満帆といえるでしょう。ただ、我々社外取締役としては、今後、世の中が激変した時、医薬品業界に大きな変化があった時にどう対応していくのかについても、常に緊張感をもって考えていなければなりません。
いかなる状況においても企業としての成長を続けていくための方策を考えておくことが、我々社外取締役の重要な仕事であると思います。経営執行を監督するとともに、万が一それが揺らいだ時には支えていくということですね。ちなみに、2006年にいち早く買収防衛策をまとめましたが、これもエーザイからの求めに応えたものではなく、我々社外取締役からの提案でした。
エーザイは、成長に伴って、世界全体を見渡すグローバルな視野が必要になってきます。その際、社長一人のリーダーシップでは限界がありますから、より組織的な力も蓄えておく必要がある。今後数年は、その過渡期になるのではないかと考えています。

(2007年8月掲載)

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